出雲弥生の森博物館の位置付け
国史跡「西谷墳墓群」は出雲が誇る全国最大級の弥生墳墓群であり、卑弥呼と同時代を生きた「出雲王」たちの眠る地として注目を集めています。
出雲市は、この西谷墳墓群を史跡公園「出雲弥生の森」として整備し、2010(平成22)年にはガイダンス施設として出雲弥生の森博物館(以下、当館と呼ぶ)をオープンしました。
当館は、動乱の時代を生きた出雲王たちの歴史を解明し、その成果を展示公開・情報発信する遺跡博物館です。また、市内埋蔵文化財調査の拠点機能を持たせ、市内主要遺跡も併せて紹介するとともに、発掘調査の成果を教育普及・展示に活かし、調査・研究と保護・活用を一体的に推進する施設です。
こうした機能を十分に生かすため、当館は出雲市が直営しています。
さらに、当館は市民にとって「ふるさと出雲」に対する自信と誇りを高める場となるとともに、21世紀を担う「人づくり」、活力ある「地域づくり」に貢献し、「出雲の真のブランド化」を推進する拠点施設としての役割も担っています。
当館は、次の概念図にあるような3つの機能を持っています。
出雲市歴史文化基本構想(2017年1月策定)では、文化財保存活用の拠点施設として位置づけられました。この役割が、文化財保護法の改正(2019年4月1日施行)に伴い、より重要視されたため、2019年6月25日には博物館法に基づく登録博物館となりました。
また、出雲市文化財保存活用地域計画(2021年7月策定)では、当館の役割強化の必要性を明記するとともに、向う10年の具体的な取組を示しました。
なお、当館は出雲市文化財課の執務室としても機能しており、市の文化財保護行政と一体となった取組を進めています。
| 2000年 | 3月30日 | 西谷墳墓群が国史跡に指定される |
| 4月 | 西谷墳墓群史跡公園整備開始。以降、年次計画に基づき文化庁の財政補助を受け墳墓の保存、復元工事 | |
| 2004年 | 4月 | 西谷墳墓群史跡公園「出雲弥生の森」暫定オープン |
| 2008年 | 7月 | 出雲弥生の森博物館建設工事に着手 |
| 2010年 | 3月 | 西谷墳墓群の2号墓復元整備工事が完了 |
| 4月 | 出雲弥生の森博物館、史跡公園全面オープン | |
| 2011年 | 8月 | ミュージアムキャラクターアワード2011 において「よすみちゃん」が日本一を獲得 |
| 2015年 | 4月29 日 | 開館5周年記念式典を行う |
| 2017年 | 4月30 日 | 来館者300,000 人達成 |
| 2019年 | 6月25日 | 登録博物館となる |
| 2020年 | 5月18日 | 常設展リニューアル |
| 9月24日 | 来館者400,000人達成 | |
| 11月17日 | 開館10周年記念式典を行う | |
| マスコットキャラクターに「みすよちゃん」が加わる | ||
| 2022(令和4)年 | 11月3日 | 「よすみちゃん」着ぐるみリニューアルクラウドファンディングを実施 |
| (2023(令和5)年2月1日まで) | ||
| 目標額150万円を超える161万円が集まる | ||
| 2023(令和5)年 | 11月2日 | 「よすみちゃん」着ぐるみ完成披露イベントを行う |
| 2024(令和6)年 | 4月20日 | 来館者500,000人達成 |
国指定史跡 西谷墳墓群
西谷墳墓群は出雲市の中央部に位置し、日本有数の汽水湖である宍道湖に流れ込む斐伊川左岸の標高40 ~ 50m の丘陵上にあります。この西谷の丘は、中国山地から派生する丘陵の先端にあたり、出雲平野が一望できます。
墳丘を持つ墓だけでも27 基が密集し、特に弥生時代後期~終末期(約170~230年ごろ)に造られた6基の四隅突出型墳丘墓(以下「よすみ」と呼ぶ)は、出雲の権力者たちの墓として全国的に有名です。
西谷の丘には、長い年月の間に様々な種類の墓が造られました。弥生時代後期~終末期には「よすみ」が、古墳時代の前半には古墳、その後期には横穴墓が造られ、また奈良時代には火葬墓も造られました。
西谷墳墓群の中で特に巨大な規模を持つ2号墓、3号墓、4号墓、9号墓は、弥生時代に出雲を支配した最高権力者、つまり「出雲王」たちの墓と考えられます。墳丘はいずれも斜面が貼り石でおおわれ、裾まわりにも石敷きや石列が巡っていました。弥生時代としては、全国トップクラスの壮大な王墓です。
西谷墳墓群史跡公園「出雲弥生の森」
西谷墳墓群史跡公園「出雲弥生の森」は、全国トップクラスの「よすみ」である2号墓、3号墓、4号墓のほか、1号墓、5号墳、6号墓を復元整備しています。園内には遊歩道を巡らせ、憩いのスペースとして芝生広場を設け、公園入口には休憩・便所棟を置いています。
また、2号墓の内部には展示スペースを設けました。施設内には、土層を再現したパネルや出雲王の埋葬状態の復元模型を実物大で展示しています。この復元模型は、埋葬された出雲王がミラービジョンで浮かび上がる仕掛けになっています。
2020年4月29日に、当館は開館10周年を迎えました。これに伴い、2020年1月~3月にかけて作業を行い、常設展をリニューアルしました。展示品を追加し、解説パネルを更新・新設したほか、常設展示図録も改訂しました。
なお、2022年3月には、2階テラスに西谷墳墓群や市内主要古墳を解説するパネルを新設しました。
2022年11月から2023年2月にかけて博物館マスコット「よすみちゃん」の着ぐるみリニューアルのガバメントクラウドファンディングを実施し、目標額150万円に対し161万円を集めて達成しました。
2023年11月には、リニューアルした着ぐるみの完成披露イベントを開催しました。
博物館の運営方針
1.出雲弥生の森博物館は、こんな施設です
- 国史跡「西谷墳墓群」の研究成果を展示公開・情報発信する施設です。
- 出雲市内文化財の調査・研究と保護・活用を一体的に推進する施設です。
2.出雲弥生の森博物館が目指すもの
- ふるさと出雲に対する自信と誇りを育み、高める場になります。
- 21世紀を担う人づくり、活力ある地域づくりに貢献する場になります。
3.出雲弥生の森博物館の5つのアクション
- アクション1 市内外に向けた情報発信を行います。
- アクション2 開かれた調査研究・運営を行います。
- アクション3 歴史文化遺産の継承と発展を担います。
- アクション4 文化財のネットワークづくりを進めます。
- アクション5 人づくり・地域づくりを応援します。